みんなでつくる、みんなであゆむ豊かなみらい。
高齢化が進む宇陀市室生大野では、耕作放棄地がどんどん増えてきています。 荒れた土地が山裾から集落の中にまで広がってくると、イノシシや鹿も集落の中にまで出てくるようになっています。 美しい里山の景観を少しでも守りたいと思い、2006年から「うだ夢創の里」では、耕作放棄地を借り受け無農薬で自然農の形で少しずつ米作りを始めました。
米作りを始めた田んぼは、3年以上荒れた状態だったので、最初の年見事に稲穂がつきよくできたと思っていたら3日の間にイノシシに荒らされ、種もみだけは何とか戸板を立てて守ることができたのですが、収穫はそれだけという結果でした。それから田んぼを柵で囲い今日まで少しずつ耕作面積を広げ田んぼ2枚と畑を作っています。
里山の自然にいだかれて、無農薬の田んぼで「農業体験」や「自然観察会」を実施しています。 1年間通して黒米の農業体験 種まき、田植え、草取り、稲刈り、天日干し、脱穀 種まき・・種もみを1粒1粒碁盤の目のように3センチ間隔に並べていきます。土をかぶせて保温をして苗が育つのを待ちます。 田植え・・15センチくらいに育った苗を、1本か2本ずつ丁寧に30センチ間隔に手植えしていきます。 草取り・・除草剤を使わない田んぼでは欠かせない作業です。苗の周りの雑草を腰をかがめ草取りをします。この時黒米は葉の先や茎から出た葉のつけ根が黒くほかの草とは見分けやすいのです。初心者にもわかりやすい特徴を現わしてくれています。 泥んこを触るのも心地よくカエルの卵やトンボの羽化を見ることができ楽しい作業です。 稲刈り・・稲穂が頭を垂れて実ってきたら収穫の時。天気を見て稲刈りをします。片手いっぱいの束を3束ほどまとめて束ねて、はさぎ(はざぎともいう)にかけていきます。黒米の稲の茎は切ると断面が美しい紫色をしています。 脱穀・・昔ながらの足踏み脱穀、唐箕での選別を体験しています。
夢創の里の田んぼでは無農薬で黒米を育てています。 黒米は、古代米の一種でアントシアニンを含み栄養価の高い貴重な米です。 9年間無農薬で育てている田んぼには、普通の水田では見ることのできない希少な生物も数多く生息しています。
米つくり(黒米)
・畑では、黒豆、サツマイモ、小麦、菜種、ジャガイモ、玉ねぎ、豆類、蒟蒻芋、里芋葱類、色々な葉物野菜その季節に応じた野菜を植え付けています。これらの種まきや、苗の植え付け、収穫体験も実施しています。